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執筆者の写真haruka

特別塗装と通常塗装

こんにちは! 相変わらずヒコーキイラストを描いているharukaです。今回は、モデラーの皆様も絵描きの皆様も写真を撮る方も大好きな特別塗装機についてです。


1993年に登場したANAのマリンジャンボを皮切りに日本の航空業界では特別塗装機ブームが起こり、数々のスペシャルカラー機がヒコーキファンだけでなく一般の方にも注目されるようになります。ここで、特別塗装にもいろいろなパターンがあるなと思ったので、その分析というか分類というか、そんな感じの話です。



 

限られた数機にのみ施されるもの


マリンジャンボやポケモンジェット、JALドリームエクスプレスといったものがこれの代表例です。いずれも1機~数機にしか施されず、注目度もレア度もピカイチ。最近のものだと東京2020オリンピック関連の塗装や、嵐JETなどの芸能人を起用したものもこのパターンですね。



ジンベエジェットもこのタイプ

 

特定の機種専用の特別塗装


このタイプで真っ先に思い浮かぶのはJASのレインボーセブンやMD-90の黒澤レインボーでしょう。ANKのアイランドドルフィンもこのタイプです。いずれの塗装も、「JASの正規塗装」があるにもかかわらずこれらの機材には施されず、代わりに「その機材専用の特別塗装」が全機に施されるというもの。




 

マルチカラー


現在の日本の航空会社だとFDAがこれにあたります。ロゴデザインは共通ですが、機体ごとに色が違うというもの。



 


特別塗装が通常塗装


「?」と思った人もいるかと思います。本来、「通常塗装」が存在しているから「特別塗装」が成り立つのであって、「特別塗装がその航空会社の通常塗装」というのはかなりややこしいものです。でも、言われてみればなるほどと思うんじゃないでしょうか。その航空会社は……、


JALウェイズです。


JALウェイズ(JAZ)はジャパンエアチャーターが1999年に社名変更したものです。ジャパンエアチャーター時代には専用のロゴ・塗装がありましたが、途中から「スーパーリゾートエクスプレス」の塗装に衣替えしました。以降、JAZになると747、DC-10ともJAZに所属する機体は全て「リゾッチャ」塗装となったのです。「リゾッチャ」はJAL塗装のものも存在し、明らかに特別塗装ですが、通常塗装が存在するJALに対して、全機が「リゾッチャ」となってしまったJAZには通常塗装機が存在しないという見方によってはおかしなことになってしまったのです。でも、リゾート路線やチャーター便を担当するJAZにはリゾッチャ塗装が一番似合いますよね。




 


一時的に通常塗装機が存在しない事態に!?


さっきのパターンよりもっとイレギュラーなのがこれ。私が知る限りこのパターンは2001年末から2003年頃のJTAです。

事の発端は2001年のアメリカ同時多発テロです。米軍基地が集中する沖縄はテロの標的になるのではという心配から観光客が減ってしまい、沖縄の主要産業に大打撃を与えてしまいます。そこで、「いこうよ!おいでよ!沖縄」キャンペーンを開始して観光客を呼び戻すことにしました。沖縄の航空会社であるJTAももちろんこのキャンペーンに参加して、キャンペーンロゴを貼った機体を就航させたのですが……


全機に貼付けやがった。


JTAの当時の機材は737-400(737-200もいましたが2001年度での退役が決定していたのでここではノーカンとします)。その737-400の14機中13機「いこうよ!おいでよ!沖縄」キャンペーンロゴを貼付けたスペシャルマーキング機でした。内1機は大きくロゴをペイントしたものでしたが残り12機はやや小さめのステッカーを貼ったもの。さらに「いこうよ!おいでよ!沖縄」のロゴが貼付けられなかった機体は別の特別塗装になっており、この期間JTAには純粋な通常塗装機が存在していませんでした。2003年の終わり頃から通常塗装機に戻る機体もごく一部ありましたが、このときすでに「太陽のアーク塗装」が新しい通常塗装となっていたのでそれまでの塗装は旧塗装扱いになっていました。


完全に個人の思い出話ですが、当時5歳くらいの私はこの「通常塗装機全滅状態」がかなり気に入らず、もともと大好きだったJTAから一時的に遠ざかってしまいました。いや、5歳にして「通常塗装機大好き」ってまた特殊だなおい。


 

以上、今回は特別塗装機について私なりの分析に基づいた分類をお送りしました。今回も読んでくださってありがとうございました!

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