こんにちは!今日は旅客機モデルをつくる際に、窓をどう表現するかについてちょっと思ったことを綴ってみようと思います。
旅客機モデルはパーツの段階で、胴体の客室窓が穴開けで表現されているものとそうでないものがあります。前者の例はハセガワ製では747、767、777、MD-11、727、737-200など、後者だと737クラシック、737NG、A320、MD-80シリーズなどですね。当然、最初から窓が開いていない機体にひとつずつ窓を開けていくのは骨の折れる作業なのでやる人はなかなかいないと思います。なので、ここでは最初から窓の開いているモデルをどう仕上げていくかということになります。
窓の穴開けをそのまま利用する場合
この点のメリットは、ある意味で実機に忠実ということがまずあげられます。実際の窓というものはガラスやアクリルでできており、当然ながら透明なものです。窓を穴開けで表現すると言うことは、この「透明」を表現するには唯一の方法です。完成した模型をつかって夕日のシルエット写真を……、といった場合にも窓から漏れる光を表現することもできますし。もう一つ大きなメリットは、塗装やロゴマークの位置決めがとてもしやすいということです。私がヒコーキイラストを描く際、窓の位置をもとに塗装を描いていくのですが、同じことが模型製作にも当てはまると思います。そして、パーツの整形段階で窓は左右対称になっているということもメリットのひとつでしょう。
窓をデカールで表現する場合
この点のメリットの一つ目は、仕上がった際の表面の均一さです。旅客機はもともと凹凸の少ないなめらかなボディーですが、それを1/200間で縮小した模型は実機にあるわずかな凹凸もほぼ無くなっているほど計算上はなめらかになっているはずです。窓が穴開けだと、どうしても穴が開いていることによる凹凸感が出てしまいます。また、窓が穴開けだと「穴が開いている」状態になるのですが、当然実機は窓の部分は穴が開いているなんてことは無いのでこの点でもデカール表現の方が勝っています(ボンドで窓ガラスを再現するということもできますが、それでも若干の凹凸は残ります)。二つ目のメリットは、コクピットウインドウとの表現に統一感を持たせることができるという点です。腕に自信のある方は旅客機の顔の整形をされると思いますが、それをする時点で、パテにサフにいろいろ持ったり削ったり吹いたりして、当初はクリアーパーツになっているコクピットウインドウもグレー一色になってしまいます。そこで客室窓が穴開けだと、「コクピットウインドウはデカールなのに客室窓は穴開け」という、同じ窓なのに表現方法が違うということになってしまいます。全てをデカールで仕上げれば「表現方法の統一感が出せる」という点でも魅力的でしょう。
ただし、デカール表現だと窓が無い状態で塗装の位置を割り出す必要があったり、窓埋めと表面処理などそれはそれで手間もかかるので、行き着くところは作り手の好み次第、ということになります。私からみれば、どの表現方法でつくられている方もそれぞれ魅力的で素晴らしい作品をつくられていることに変わりは無く、それだけに表現方法も多岐にわたるという奥深さを物語っていると思います。
以上、今回は旅客機模型の窓の表現について綴ってみました。今回も読んでくださってありがとうございました!
Comments